普通のやけどと低温やけどの違いとは

2024年6月4日

一般的に普通のやけどは、触った瞬間に熱いと感じる状況で生じます。熱湯や火にかけたフライパンなど、高温の物に触れることによって、皮膚が赤くなったり水ぶくれの症状が現れたりします。一方で低温やけどというのは、触っても熱いとは感じない程度、体温よりも少し高い温度の物に触れることによって起こるものです。もちろん、触った瞬間にやけどを負うということはなく、長時間触れ続けることによって生じます。

低温やけどは、40度から50度くらいの温度のものに長時間触れることによって、皮膚の深い部分までダメージを受けるのが特徴です。そのため、やけどをしていても表面はちょっと赤いくらいにしか見えず、大したことがないと思ってしまうこともあります。場合によっては、見た目では気が付かないことすらあります。それが逆に症状を悪化させてしまい、自覚しないまま重症にまで陥るケースもあるという意味で、恐ろしいものなのです。

低温やけどの症状としては、最初は皮膚が赤みを帯びてヒリヒリ痛いというものから始まり、はっきりとした痛みや水ぶくれが出るという症状に進みます。さらに進行すると、皮膚が極度の乾燥状態に陥り、触っても感覚がなくなることがあります。最悪の場合は、皮膚組織が深刻なダメージを受けて皮膚移植をしないといけないことすらあります。

通常のやけどは、触った瞬間に熱源から離れるのでそれ以上ダメージが大きくなることはありません。しかし、低温やけどの場合は、気付かずに進行していることもあるという点でも違いがあります。高齢者は皮膚の感覚が弱っているので、特にリスクがあります。