暖房器具やカイロが原因?高齢者の低温やけど事情

2024年4月5日

寒くなる冬場に欠かせないのが暖房器具です。これは介護施設でも、高齢者の方を介護するご家庭でも変わりません。定められた使い方をしっかり守る必要がありますが、高齢者の介護を行う場合は暖房器具の使い方に特に注意しないといけません。高齢者は、そうでない方と比べると感覚が鈍くなっている場合が多く、暖房器具による低温やけどのリスクが高くなっています。

特に注意すべきなのが暖房器具の温度で、低温やけどは42度という熱めのお風呂くらいの温度でも起こる可能性があります。もちろん、42度では低温やけどが引き起こされる可能性は低く、42度の暖房器具を皮膚に接触させ続けた場合、低温やけどが引き起こされるまでにかかる時間はおよそ6時間です。

ただし、温度が上がれば低温やけどが引き起こされるまでの時間も一気に短くなっていきます。たとえば50度だと、およそ3分間の接触で低温やけどが引き起こされかねません。年齢を重ねていくと体温調節機能が衰え、冷え性のような症状を訴える人が増える傾向があるので、暖房器具の力を借りることは必須ですが、温度には注意しないといけません。

また、カイロはお手軽な寒さ対策アイテムとして人気ですが、カイロも低温やけどを引き起こす恐れがあります。本来、服の上から貼るカイロを皮膚に直接触れるように貼ると、皮膚が温められ低温やけどのリスクが高まりますよね。使い方を守り服の上からカイロを貼っていても、貼ったところが圧迫されるとその周辺が熱を持ちやすくなるので危険です。暖房器具やカイロは冬の時期を乗り切る上で欠かせませんが、介護を行う側は低温やけどの危険性について知っておく必要があります。